はじめに
「UTMを導入しているから安心」と考えていませんか。
UTM(統合脅威管理)は、企業のセキュリティ対策として非常に有効な機器ですが、導入しただけで万全とは言えません。設定や運用が適切でなければ、ランサムウェアやマルウェアなどのサイバー攻撃を防ぎきれないケースもあります。
実際に、被害を受けた企業の中には「UTMは導入していたものの、設定や運用に課題があった」という事例も少なくありません。
今回は、UTMを導入していても感染リスクが高まる原因と、見直したい5つの設定ポイントをご紹介します。
1. IPSが最新の状態になっていない
UTMには、不正侵入を検知・防御する「IPS(不正侵入防止システム)」が搭載されています。
IPSは、既知の攻撃パターンを検知して通信をブロックする重要な機能ですが、最新の脅威に対応するためには定期的な更新が欠かせません。
例えば、次のような状態になっていないでしょうか。
- IPSシグネチャが更新されていない
- ライセンスが期限切れになっている
- 自動更新が無効になっている
UTMを導入していても、最新の状態が維持されていなければ、新しい攻撃に対応できない可能性があります。
2. SSLインスペクションを設定していない
現在、多くのWebサイトやクラウドサービスはHTTPSによる暗号化通信を利用しています。
SSLインスペクションを有効にしていない場合、暗号化された通信の内容を十分に検査できず、悪意のある通信を検知できないケースがあります。
導入時の設定のまま、
- HTTPS通信を検査していない
- クライアント証明書を配布していない
- 一部の通信しか検査対象になっていない
といった状態では、UTM本来の性能を十分に発揮できない可能性があります。
3. 管理画面のセキュリティ対策が不十分
UTMは社内ネットワークを守る重要な機器ですが、管理画面の設定が適切でないと、UTM自体が攻撃対象になる恐れがあります。
例えば、
- 管理画面をインターネットへ公開している
- パスワードが推測されやすい
- 多要素認証(MFA)が設定されていない
- 接続元IPアドレスを制限していない
このような状態では、不正アクセスのリスクが高まります。
管理画面へのアクセスは必要最小限にし、適切な認証やアクセス制限を設定することが重要です。
4. ログを確認する運用ができていない
UTMは通信状況やセキュリティイベントをログとして記録しています。
しかし、
- アラートを確認していない
- ログを定期的にチェックしていない
- 保存期間が短い
- 異常通信に気付ける体制が整っていない
といったケースでは、攻撃の兆候を見逃してしまう可能性があります。
ログは、不審なアクセスを早期に発見したり、万が一インシデントが発生した際の原因調査にも役立つ重要な情報です。
5. GeoIP制限を活用していない
海外との通信が不要な環境にもかかわらず、すべての国からのアクセスを許可しているケースも少なくありません。
例えば、
- 海外からVPNへ接続できる
- RDPを海外へ公開している
- GeoIPによるアクセス制限を設定していない
といった状態では、不要なアクセスを受けるリスクが高まります。
業務上必要のない国からの通信を制限することで、不正アクセスのリスク軽減につながります。
UTMは「導入」より「運用」が重要
UTMは、高度なセキュリティ機能を備えた機器ですが、その効果を十分に発揮するためには継続的な運用が欠かせません。
重要なのは、
- 定期的な設定の見直し
- ライセンスやシグネチャの更新
- ログの確認
- セキュリティポリシーの見直し
を継続して行うことです。
「導入したから安心」ではなく、「現在も適切に運用できているか」を定期的に確認することが重要です。
まとめ
UTMを導入していても、設定や運用が適切でなければ、本来のセキュリティ性能を十分に発揮できない場合があります。
IPSの更新状況やSSLインスペクションの設定、管理画面のセキュリティ対策、ログ監視、GeoIP制限など、一度設定を見直すことでリスクを軽減できる可能性があります。
サイバー攻撃は日々高度化しています。大切なのは「UTMを導入していること」ではなく、「適切に運用できていること」です。
UTMの設定や運用に不安がある方へ
「導入してから設定を見直していない」「現在の設定で十分なのか分からない」「ライセンスやログ監視の状況を確認したい」とお悩みではありませんか。
UTMは導入するだけでなく、定期的な設定の見直しや継続的な運用によって、本来のセキュリティ性能を発揮します。お客様のネットワーク環境や運用状況を確認し、より安全に運用するための改善ポイントをご提案いたします。
導入済みのUTMの設定確認から、新規導入のご相談まで、お気軽に導入相談をご利用ください。



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