近年、サプライチェーン全体を狙ったサイバー攻撃が増加しています。
攻撃者は、防御が比較的弱い取引先や委託先を侵入口として、本来の標的企業への侵入を試みるケースがあり、中小企業も決して例外ではありません。
こうした状況を受け、経済産業省では**「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS)」**の整備が進められています。
今後は、企業規模を問わず、取引先から一定水準のセキュリティ対策を求められる場面が増えていくことも考えられます。
そのため、中小企業にとっても「最低限のセキュリティ対策を継続的に実施できる体制づくり」が重要になっています。
本記事では、SCSを見据えて中小企業が優先して取り組みたいセキュリティ対策について分かりやすく解説します。
なぜ今、サプライチェーン全体のセキュリティ強化が求められているのか
サプライチェーン攻撃では、大企業よりも、比較的侵入しやすい関連会社や委託先が狙われることがあります。
例えば、
- VPN機器の脆弱性が放置されている
- ID・パスワードが使い回されている
- セキュリティソフトが更新されていない
- ログ監視が行われていない
といった小さな隙が、攻撃のきっかけになることがあります。
そのため今後は、
- セキュリティ対策の実施状況
- インシデント対応体制
- ログ管理
- 多要素認証(MFA)の導入状況
などを取引先から確認されるケースも増えることが予想されます。
セキュリティ対策は、IT部門だけの課題ではなく、企業の信頼や取引継続にも関わる重要な経営課題になりつつあります。
SOCとは?
SOC(Security Operation Center)とは、ネットワークやサーバー、端末などを監視し、不審な通信や異常を検知・分析してインシデント対応を支援する仕組みです。
現在では、自社でSOCを構築するだけでなく、専門事業者が提供する監視サービスを利用する企業も増えています。
SOCは単独で導入するものではなく、UTMやEDR、Microsoft 365などのログと連携することで、より効果的な監視体制を構築できます。
中小企業にSOCは必要なのか
「SOCは大企業向けでは?」
と思われることがあります。
しかし、中小企業で重要なのは、完璧な監視体制を構築することではありません。
必要なのは、
「異常を早期に検知し、被害を最小限に抑えられる体制」
を整えることです。
そのためには、
- ログ収集
- アラート監視
- インシデント検知
- 初動対応
- エスカレーション体制
といった基本的な仕組みを整えることが重要です。
SCSを見据えて優先したい5つの対策
1. IT資産を把握する
まずは、
- パソコン
- サーバー
- VPN機器
- クラウドサービス
- 利用アカウント
など、自社のIT資産を把握しましょう。
特に、
- 利用されていない端末
- 退職者アカウント
- 更新されていない機器
は定期的な確認が重要です。
2. ログを取得・保管する
SOCの基本となるのがログです。
最低限、次のようなログを取得・保管しておくことをおすすめします。
| 対象 | 主なログ |
|---|---|
| Windows端末 | ログオン履歴 |
| VPN | 接続ログ |
| UTM・ファイアウォール | 通信ログ |
| Microsoft 365 | 管理者操作・監査ログ |
| サーバー | 認証ログ |
ログが残っていなければ、インシデント発生時の原因調査が困難になります。
3. 多要素認証(MFA)を導入する
近年の不正アクセスでは、ID・パスワードの漏えいが原因となるケースが多く見られます。
特に、
- Microsoft 365
- VPN
- クラウドサービス
については、多要素認証(MFA)の導入を優先しましょう。
比較的導入しやすく、高い効果が期待できる対策の一つです。
4. UTM・EDR・SOCを組み合わせる
サイバー攻撃への対策は、一つの製品だけでは十分とは言えません。
例えば、
- UTM:ネットワーク境界の防御
- EDR:端末の監視・検知
- SOC:24時間365日の監視・分析
というように役割を組み合わせることで、多層的なセキュリティ対策を実現できます。
自社で24時間監視を行うことが難しい場合は、MDRやSOCサービスの活用も有効な選択肢です。
5. インシデント対応手順を整備する
万が一攻撃を受けた際に備え、
- 緊急連絡先
- 初動対応手順
- 端末隔離方法
- 社内報告フロー
- 顧客・取引先への連絡基準
- バックアップからの復旧手順
などを事前に整理しておきましょう。
対応手順が決まっているだけでも、被害拡大を防ぎやすくなります。
大切なのは「継続できるセキュリティ対策」
中小企業にとって重要なのは、高価なシステムを導入することではありません。
重要なのは、
- 継続的に運用できること
- 異常に気付けること
- 必要な対応を迅速に行えること
です。
SCSでも、今後は「完璧な対策」ではなく、「適切な管理・運用を継続していること」がより重要になっていくと考えられます。
まとめ
サプライチェーン攻撃は、大企業だけでなく、中小企業にも影響を及ぼす重要なセキュリティリスクです。
今後、SCSなどの取り組みが進む中で、取引先から一定水準のセキュリティ対策を求められる場面は増えていくことが予想されます。
まずは、
- IT資産管理
- ログ取得・保管
- 多要素認証(MFA)
- UTM・EDR・SOCを組み合わせた多層防御
- インシデント対応手順の整備
といった基本的な対策から着実に進めることが、将来に向けたセキュリティ強化の第一歩となるでしょう。
SCSを見据えたセキュリティ対策をご検討中の方へ
サプライチェーン全体でセキュリティ対策が重視される中、UTMだけ、SOCだけといった単独の対策ではなく、UTM・EDR・SOC・多要素認証(MFA)・ログ管理を組み合わせた多層防御が重要です。
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当社では、お客様のネットワーク環境や運用体制をヒアリングし、UTM・EDR・SOCを組み合わせた最適なセキュリティ対策をご提案しています。



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